東京スキンクリニック

性感染症検診

 性感染症検診としては,治療を要する重大な病気,つまり,HIV,梅毒,B型肝炎,淋病,クラミジアについて検査を受けることをお勧めします。これらの性感染症のうち最初の三つについては血液検査が行われ,残りの二つの検査には男性では尿検体が用いられ,女性では婦人科検査を実施し,子宮頸(膣内に突き出ている子宮の一番下の部分)の中側を綿棒で擦って検体を採取します。
現在使われているHIVのスクリニーング検査では,感染後数日でHIVのウィルス抗原の有無がわかり,2,3週間で抗体が上昇します。日本および風土病としてAIDSが蔓延していない他のほとんどの国では,事実上HIVしかみられません。梅毒の抗体は2つの検査法を組み合わせることによりもっとも早くて感染より1ヵ月後に確認することができます。HBsAg(B型肝炎s抗原)のはB型肝炎にかかってから2,3週間後,症状が出現する前に上昇を始めます。これらの血清検査は感染が疑われる最後の性交渉から少なくとも1ヵ月経過してから受けるべきでしょう。
 淋病とクラミジアは男性では尿道炎を,女性では子宮頸炎を起こします。これらの微生物の遺伝物質(DNA)は,症状がはっきりしているかどうかにかかわらず,感染してから2,3日以内で検知することができます。男性の場合,十分濃縮した尿を得るため,2時間以上排尿しないで採取した尿の最初の部分を検体として用います。女性では,生理中でも子宮頸から検体をとることはできますが,出血は採取を困難にし,また,多量に血液が混ざった検体はなるべく避けるべきです。
 性器ヘルペスとHPV= Human Papilloma Virus「ヒト乳頭腫ウィルス」,コンジローマともいわれる)は性感染症としてずっと頻度が高いですが,スクリーニング検査には含まれません。ヘルペスにかかっていることがわかっても,何らかの対処するわけではありません。ヘルペスウィルスがいったんからだに侵入すると,治療で除去することはできず,その反面かかっていても気が付かないままの人が多いからです。希望に応じて血液検査を行い,ヘルペス感染に関する情報(感染の有無,初感染か以前からあるのか,口唇・性器ヘルペスの別)を得ることができます。HPV感染はからだの免疫反応により自然に消失することが多いので,隠れた感染を見つけるための検査としての価値は限られています。病変があれば,表面を綿棒で擦って得た検体で行うHPVDNA診断が有用です。この検査により,ウィルスが見つかった場合,癌化の危険が大きいタイプか小さいタイプかの区別もわかります。                  

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